REALITY

大陸のどこかで生きるメンヘラ

010

 

こんな夜には昔のことを思い出してしまう。

たとえば昔の不調は、アイデンティティの確立が上手くなされていなかったことによるものだと考えるようになった。じゃあ今はどうなんだと問われると、恥ずかしいけれどまだモラトリアム期間だとしか言えない。私はまだ自分自身がどんな人間で、どんな役割を持てばいいのかなんてわからないし、見つけられてもいない。自分らしさってなんだ。どうせ個性もすべてあと数年もすれば刈り取られて、みな同一に均されるというのに。自分の理想と似ても似つかない現実を受け入れられないまま、ここまで生きてきた。

けれどやっぱり確実に成長していて、ある程度は自分の現状を受け入れられるようになったし、納得も満足もしてると思う。高校時代、絶対に行けないだろう(その前に自殺してるだろう)と思っていた大学に通い、何とか一年修めた。友人だってできたし、心を許し、健全であろうと思える恋人だってできた。それなのに私は未だのろのろと自分に折り合いをつける段階から抜け出せていない。周りに置いて行かれることを一番恐れているのに、まだまだ甘えたまま。

人は怖いし、目線を合わせられると緊張するし、ひそひそ話されると自分のことだと思っちゃうし、変だと思われてないかとか、嫌われてるんだとか思うのも治らない。私が死んだって、代わりはいっぱいいる。こんな欠陥だらけの人間なんてきっと消えても誰も困らない。人の記憶に残っているなんてきれいごと信じないし、忘れてほしいとすら思う。それでも悲しんでほしいとか、覚えててほしいとか矛盾したことを考えてる。生きている意味は本当にあるんだろうか。私にしかできないことって何。私にできることなんて他の人にもできる。

じゃあどうして、なんで私は未だにこうやって酸素を消費して生きてるんだろう。

 

 


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